API採用事例:ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 様

世界規模でタイヤ事業を展開している株式会社ブリヂストンの国内販売会社、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社(東京都)。
単にタイヤを販売するだけでなく、より適切にタイヤを使用してほしいとの思いから、空気圧と温度のデータをリアルタイムで監視するサービスを開始しました。プロジェクトの主担当である柳田氏と別所氏に、開発の意図や富士通デジタコとの親和性を伺います。(文中敬称略)
Tirematicsリアルタイムモニタリング
「Tirematics」は、トラック・バス事業者様の運行管理者等にクラウドを通じてタイヤの内圧・温度を共有するモニタリングツールで、あらかじめホイールにセットされた専用のタイヤ内圧監視システム(TPMS: Tire Pressure Monitoring System)が、タイヤの内圧・温度を定期的に計測し、異常があれば運行管理者等へアラートメールを届ける仕組みです。
APIから取得している情報: 位置情報 TPMS情報
従来品は一日数回の計測。「Tirematicsリアルタイムモニタリング」では運行中でも高頻度にデータを取得

サービス提供を始められた「Tirematicsリアルタイムモニタリング」の機能をお聞かせください。

柳田 まずはタイヤに設置した専用のTPMSから、空気圧と温度の数値を取得します。 このデータを富士通のクラウド型デジタコを経由して、お客様の運行管理者等に送信するサービスです。

すでに当社では、同様のデータを一日に数回監視するサービスを提供していますが、走行中の車両、特に長距離を走る車両ではデータの取得頻度が著しく落ちるケースがあり、改善を検討してきました。

今回、富士通デジタコのAPIを採用したことで、リアルタイムかつ精度の高い情報を届けられるようになり、異常時も迅速にアラートするので、トラブルからの復旧も今まで以上にスピーディになると期待できます。

タイヤの適切な使用も考える「タイヤセントリックソリューション」に基づいて開発

開発に至った背景を教えていただけますか?

柳田 輸送事業者様は車両が故障すると業務が停止してしまいます。損害賠償などもさることながら、自らの評判を落としてしまう可能性があり、私たちで未然に防ぎたいとの思いから開発しました。

別所 加えてブリヂストンには「タイヤセントリックソリューション」の考えに基づいて、タイヤの製造・販売だけでなく、より良い状態でお使いいただくことも重視しています。

この考え方には、もちろん「Tirematicsリアルタイムモニタリング」も含まれ、タイヤの適切な使用に向けてセンサーで監視しようと考えました。空気圧が減ると重大な事故を招く恐れがあるだけでなく、早期摩耗や燃費悪化の原因となってしまうからです。

データはアルゴリズムを介して"実際の数値"に換算。車両の位置情報も取得できて安心

タイヤの異常を知らせるにあたり、基準となる値はあるのでしょうか。

柳田 空気圧では、お客様と相談し設定した基準に基づき、注意を呼び掛ける黄色信号、警告の赤信号の二段階でお客様へアラートを送信します。また、温度では一定の温度に達すると警告となります。

タイヤは走行中に熱で内部の空気が膨張します。特に高速道路では顕著で、空気圧の数値をそのまま飛ばす一般的なTPMSでは、本当はパンクしていても“正常”と誤判断してしまう可能性があります。

一方で「Tirematicsリアルタイムモニタリング」は、当社のソリューションツール「Tirematics(タイヤマティクス)」を活用したアルゴリズムで、タイヤの温度による内圧の変化を補正して監視します。こうしてタイヤの状態を正しく判断するための数値を伝える点に、特にこだわりました。

TPMS(Tire Pressure Monitoring System)センサー

別所 また、もしも車両がタイヤトラブルで停止した場合でも、ブリヂストンのロードサービス「BSN」にお電話いただくことで迅速に復旧する体制を整えていますが、知らない土地でドライバー様に車両停止位置を伝えていただくことに非常に工数が掛かっていました。

一方で、「Tirematicsリアルタイムモニタリング」では、デジタコ経由で車両の位置情報が取得できるため、ドライバーは当社のオペレーターと電話で話しながら、最寄りのブリヂストン系列店からスタッフが駆けつけるのを待つだけになります。
結果として、手間を減らしながらも、復旧までの時間を大幅に短縮することが出来ます。

こういったセンサーを使わない場合、タイヤの異常をどのようにして見つけていたのでしょうか?

柳田 お客様の現場での確認では、ドライバー様が運行前等にハンマーでタイヤを叩き、その反動や音で判別することが多いと思われます。これは熟練者の勘とコツでの把握になるので、一律に客観的に管理できませんでした。
これが当社のデータ化により、誰でもわかるようになったので、業界の課題解決に貢献できていると感じています。

デジタコ経由で車両のあらゆるデータを得られる点が富士通デジタコAPI最大の魅力

富士通デジタコのAPI連携を知ったきっかけを教えてください

柳田 タイヤからのデータを飛ばして通知させようとするも、なかなか具体的な方法がわからずにいました。そんな時、クラウド型デジタコという存在に気付いたことがきっかけです。
この分野で大きなシェアを占めているトランストロンさんにコンタクトを取り、API連携の提案を受け、一緒に開発を進めていきました。

富士通デジタコを選んだ決定的な理由は何ですか?

柳田 デジタコの通信を利用し、多様なデータを得られる点が最大の魅力です。
当社の今後の展望として、空気圧や温度以外の項目も分析していこうと考えているので、タイヤ周り以外のデータを持っているトランストロンと一緒に仕事をしたいと考えました。

対応や説明はいかがでしたか?

柳田 私たちはAPIやデジタコの通信について知見がありませんでした。「Tirematicsリアルタイムモニタリング」を展開するにあたり輸送事業者様に機能や仕組みを説明する必要がありますが、必要に応じて同行してくれ、とても安心感がありました。

別所 「ここは我々に任せてください」というスタンスがありがたく、一緒にプロジェクトを進められて楽しかったです。

タイヤのことならすべて任せられる会社を目指して。今後も輸送業者の困り事を解決していきたい

今後はどのような事業展開をお考えですか?

別所 「タイヤセントリックソリューション」に基づき「タイヤのことならすべて任せられる会社」を目指したいですね。

柳田 「Tirematicsリアルタイムモニタリング」がどんな効果を発揮するのか、明確になるのはこれからですが、今後も輸送事業者様の困り事を解決するサービスを提供していきます。お客様の「助かったよ」という声を聞く機会をもっと増やしていけると嬉しいですね。

今回お話を伺った方

ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 TB・LTソリューション事業本部 TB・LTソリューション事業企画開発部 別所 恵太
ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 TB・LTソリューション事業本部 TB・LTソリューション事業管理部 柳田 周造

コーポレートプロファイル

ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社
本社所在地
〒104-0031
東京都中央区京橋三丁目1番1号
東京スクエアガーデン 20階
設立年月日
2012年1月1日
従業員数
3,526名
URL
https://www.bridgestone.co.jp/group/btsj/

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