川一産業株式会社(神奈川県)は、港湾直結の倉庫を併設し、大手鉄鋼メーカー様の製品を専門的に扱う運送会社です。
1日あたり1,200トンもの荷物を取り扱い、関東圏を中心に関西・東北エリアまで幅広く輸送サービスを展開されています。 バー材やコイル材といった鉄鋼製品を、船からの荷下ろし、倉庫保管、そしてお客様への配送まで一貫して対応できる体制が大きな強みです。 現在、DTD-G1D3、IT点呼オプション、上位連携オプションを2025年3月から全車両89台に導入、運用されています。今回は、本社運輸部主任 小口氏と運輸部 五十嵐氏にG1D3とIT点呼の導入メリットをお伺いしました。

導入前の課題を教えてください。
運行管理:事故対応の遅れと非効率な業務フロー 他社製のSDカード式デジタコでは、車両の位置情報が「走行中」「停止中」「エンジン停止」の3状態しか把握できませんでした。遠隔地での事故発生時、ドライブレコーダーの映像確認にはSDカードの回収が必要で、初動対応が遅れる要因となっていました。また、SDカードの定期交換のため、ドライバーは必ず営業所へ立ち寄る必要があり、業務効率の低下を招いていました。
点呼管理:遠隔地、夜間対応の限界 夜間は管理者1名で対応していたため、複数のドライバーから同時に点呼連絡が入ると対応しきれず、点呼漏れのリスクがありました。連絡履歴も残らず、後から確認することも困難な状況でした。
情報伝達:低い参加率と非効率な連絡手段 全ドライバーへの一斉連絡手段が限られ、掲示物や個別電話に頼っていました。安全講習会の案内を3ヶ月分まとめて掲示しても、ドライバーが見逃したり日時を勘違いしたりして、参加者は12名程度にとどまっていました。
他社のデジタコから富士通デジタコを導入した決め手は何だったのですか?
幹部を中心に「サービスの一元化」を方針として、システム選定を進めました。クラウド型デジタコ、IT点呼、ドライブレコーダー、上位システム連携のすべてが一つのプラットフォームで完結できる点が、導入の決定打となりました。
様々な導入効果があったようですが、具体的にお聞かせください。
効果1:事故対応が即日対応可能に 従来は車両が戻るまでドライブレコーダー映像を確認できませんでしたが、クラウドシステムによりリアルタイム確認が可能になりました。当て逃げ事故では、ドライバーからの連絡直後に映像を確認して相手車両のナンバーを特定し、現場から即座に対応方針を決定できました。装備品破損時も、リアルタイムで状況を把握して適切な指示を出せます。
効果2:情報伝達の確実性が向上、講習会参加率が2.5倍に 稼働中の全ドライバーへ一斉メッセージを送信できる機能により、情報伝達が劇的に改善しました。安全講習会では当日に「本日開催」とリマインド送信することで、参加者が従来の12名から20〜30名へと倍増しました。総務部門でも作業着支給の連絡などに活用し、タイミングを逃さず確実に情報を届けられるようになりました。
効果3:IT点呼で記録漏れゼロ、確実性が格段に向上 IT点呼の導入により、すべての点呼記録が自動的に履歴として保存されるようになりました。夜間に複数の点呼が重なった場合でも、履歴から確認して後から確実にフォローできます。アルコールチェックは画面越しに実施状況を確認しながら行え、確実性が大幅に向上しました。点呼画面には必須質問項目が明示されるため、新任管理者でも迷わず対応できます。
効果4:リアルタイム位置情報で業務調整がスムーズに 関東圏内を広範囲に移動するドライバーの現在位置をリアルタイムで把握できるため、帰着時刻を正確に予測できるようになりました。現場作業員との調整がスムーズになり、緊急時には近隣のドライバーへ迅速に依頼可能です。荷主様からの問い合わせにも、GPS情報をもとに即座に回答できる体制が整いました。
効果5:休憩時間違反が約半減、法令遵守を徹底 ドライバーのデジタコ画面に休憩時間がリアルタイム表示されるため、「あと何分休憩が必要か」を正確に把握できるようになりました。従来は時計を見ながらの判断で「29分何秒」といった微妙な不足が発生していましたが、導入後は違反件数が約半分に減少した。GPS連動により休憩場所と時間が記録されるため、より的確な指導が可能になりました。
効果6:事故直後の映像指導で教育効果が向上 事故発生時、即座に映像を確認してドライバーを呼び出し、その場で映像を使った指導が可能になりました。従来は1ヶ月分のメモリーカードを遡る必要がありましたが、現在は事故直後に客観的な映像を用いた納得感のある指導ができます。また、カメラ台数の増加(前方・左右・後方の最大4箇所)により、多角的な映像確認が可能となり、安全性向上に寄与しています。
効果7:データ自動連携で管理業務を効率化 上位連携オプションにより、デジタコデータを他社システム(TUMIX)へ自動連携しています。月間の運転評価資料作成が効率化され、データに基づいた的確な指導が可能になりました。
新しいシステムの導入は大変だったのでは?
導入初期段階から販売会社の担当者さんが迅速かつ丁寧に対応し、細かい質問にも気軽に答えてもらえる環境が整っていました。わからないことだらけの初期段階で手厚いサポートを受けられたため、早期に運用体制を構築でき、スムーズな稼働開始につながりました。
今後の展望をお聞かせください。
IT点呼から自動・遠隔点呼による生体認証機能の導入でなりすまし防止を強化し、点呼業務のさらなる省力化・省人化を推進していきたいと考えています。 航空機や医療機器、重機、自動車部品など、命に関わる重要部品を確実に届けるため、厳格な管理体制と安全輸送を徹底します。同時に、省人化・効率化にも積極的に取り組み、持続可能な物流体制の構築を目指します。
ありがとうございました。