時計台バス株式会社(北海道)は、北海道全域で一般団体向けの貸切運行や観光企画ツアー、学校関係の教育旅行を提供する貸切バス事業者です。2023年には、北海道における貸しバス事業者として第一号となる国際規格である「ISO39001(道路交通安全マネジメントシステム)」の認証を取得し、安心・安全なサービスを提供しています。
今回は、専務取締役 南部 武人氏に、富士通デジタコDTS-G1Oの活用についてお話を伺いました。
時計台バス様では、様々な取り組みをされていますね。
そうですね。「2024年問題」に対応するため、適正な運行体制の整備を進めました。事業拡大のために車両を増やすことも検討していますが、人材の確保が難しいのが現状です。
そのため、大型車両の運用を最適化し、中型・マイクロバスと組み合わせることで、休みを確保しつつ2024年問題に対応できる体制を構築しています。
健康経営にも取り組まれていますね。
はい。禁煙推進、スポーツ支援、通勤手段の見直しなど、従業員の健康を意識した取り組みを行っています。また、長時間労働の問題にも取り組み、収入と労働時間のバランスを考えた労務環境の整備を進めています。
富士通デジタコを導入したきっかけを教えてください。
当初はSDカードタイプのタコグラフを使用していました。泊まり勤務時は、帰庫してからではないと日報が出力されないことが課題でした。
そんな中社内で『クラウド型に移行しよう』という話が持ち上がり、国土交通省による「貸切バスへのドラレコ装着義務化」に対して十分に対応できる「DTS-D1D」の導入を決めました。
さらに2024年から新機種「DTS-G1O」を導入、運行管理システム「ITP-WebServiceV2」から「V3」にアップグレードすることで、利便性が大幅に向上しています。
デジタコ導入後、どのような効果がありましたか?
リアルタイムで運行状況を把握できるようになり、ドライバーの運転状況を正確に確認できる点が大きなメリットです。
ドライバーの報告だけに頼るのではなく、デジタコのデータやドラレコの映像を活用することで、客観的な判断が可能になりました。また、これらのデータをもとに安全指導を行うこともできます。
労務管理機能についてはいかがでしょうか?
拘束時間を一元管理できるようになり、2024年問題への対応や集計作業の負担軽減に役立っています。
また、出発30分前の点検開始から勤務開始、帰庫後30分を勤務終了とシステム上で設定できるため、労務管理がしやすくなりました。さらに、拘束時間の上限を超えないよう調整する際にも活用しています。
ドライバー様の反応はいかがですか?
ドライバーにヒアリングしたところ、「使いやすくなった」との意見が多いですね。従来の「DTS-D1D」は6ボタン式でしたが、「DTS-G1O」では、すべてタッチ操作になりました。画面が少し小さいものの、問題なく操作できているようです。
今後の取り組みについて教えてください。
「当たり前のことを当たり前にやる」という基本姿勢を大切にし、特に飲酒運転防止対策を徹底しています。当社では、現在までアルコール反応が出た従業員は一人もいません。点呼時のアルコールチェックを厳格に実施し、その記録を保存することで、従業員全員の安全意識を向上させています。
また、安全運行の評価制度の見直しを進め、適切なインセンティブ制度の導入を検討しています。適切な評価基準の確立が課題です。
ありがとうございました。